僕の別居から離婚への‥心境をそして今生きる希望を探して。
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特┃集┃1┃
━┛━┛━┛
【 日本を呑み込む Appleアップルの正体 】

今年9月、iPhone5の発表を機に、アップルの時価総額は6579億ドル
に達し、「史上最も価値の高い会社」となった。その規格外の強さは、
まさに常識はずれの経営スタイルにある。アップルのビジネスに巻き
込まれた企業・産業は例外なく、その激しさに翻弄される。
決して甘くはないアップルの内側に迫る。


特┃集┃2┃
━┛━┛━┛
【 欧州債務危機との付き合い方 】
Too little,too late 努力が少な過ぎるし 対応が遅過ぎる

なぜ危機が長引いているのか──。
欧州の債務危機を根本から解決するには政治的な合意形成が難しく、
Too little, too late(努力が少な過ぎるし対応が遅過ぎる)
な状況に陥りやすい。今後繰り出される対応策が対症療法か本物か、
冷静に見極めていく必要がある。




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【2012/09/29 19:27】 | 週刊ダイヤモンド
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その頃、和也、君は高校進学を控えていた時期でした。
 実は、お父さんは高校受験が一斉にはじまる前から、和也が何時戻っても困らないように、N市内の私立高校への入学を手配していました。そのことは、電話が着信拒否になっていない父に依頼して、お母さんにも伝えてもらっていたの。
 三月に入って、父から「京子が高校の話を直接聴きたいそうだ」と連絡をもらいました。
 高校の二次募集も最終段階の時期だし、もう入学決定まで時間がありませんでした。
 ただ、心配があります。
 お母さんは、すぐに『一一〇番するよ』って興奮するでしょ。そんなことをされたら大騒ぎ。和也のことは心配になっていたけど、出向いて説明ができず躊躇していたんだ。
 父にそのことを相談しました。
「京子本人が聴きたいと言っていることだからな。自分でそう言っておいて、普通はそれで百十番はしないだろ」
 それはそうだろうけど……。迷っていましたけど、頭から離れない情景がありました。
 和也、君は覚えているでしょ。連れ出される前夜、進学先の高校を「N工業にしようかなって思っている」と話したことを。
 高校進学は君にとって人生の節目で、一大事。それが突然転校。君の気持ちを想うと、ここで何もしなければ、お父さんは父として役目が果たせないと考えていました。
 後悔したくない。もしお母さんが興奮して常軌を逸しても、それはお父さんが一人で背負い込めばいいこと。そんなことより、君の進学の方が心配ですし、大事です。
 お父さんは出向いて説明することにし、土曜日の休日を利用して訪問しました。

 応対したのは、おばあちゃんでした。
「なんなぁ、どうしたんなぁ」
「ええ、和也の高校進学のことで。すいません」
「ああ、あの話かなぁ。上がってもらうとこもないにぃ」
「どこでもいいです。折角来たんでお願いします」
 おばあちゃんは少し考えたけど、お父さんに玄関で待つように言い残して、奥に消えました。
 すぐに、居間の方から「はい、起きろ」とおばあちゃんの声がしました。
 もしかして、君たちを起こしているのかな? 中に入り様子を窺いました。
 おばあちゃんが、丁度、敷布団を引っ張ったのが見え、「ヒェー」と友里の声がするのがわかったよ。
 突然布団を引っ張られたのでびっくりしたんだ。
 友里、覚えている? お父さんがお邪魔したから起こされちゃって、ごめんな。
「おかあさん、そんなことしなくていいですよ。私は台所でいいですから」
 お父さんは声をかけました。
「いいから、待ってなさい」
 結局布団を片付け、君たちを二階に移動させて、居間に通してくれました。
 おばあちゃんは、お茶と漬物、みかんを出し、おじいちゃんも加わりました。
「京子はどうしたんですか?」
「今日は仕事に出てるでなぁ」
「そうですか。アルバイトですか」
「いいや、この前まで人材派遣で紹介されたとこで働いていたけどなぁ、今度は違うとこで正社員らしいんなぁ。行きはじめたばっかりなぁ」
「そうですか。土曜日なのに休めないんですね」
「そうなぁ。お金がないでなぁ。教科書も買えんでなぁ。俊介さんは制服も買ってくれんしなぁ」
 制服を買ってくれない……? 
 この言葉はね、千里、この時の春、君が中学生になったでしょ。その制服のことを言っているの。
 お父さんだって気になっていましたよ。
 でもね、君たちを連れ去り、連絡もできなくし、会わせないのは誰なの。
 この日だって、おばあちゃんは、お父さんに会わせないように、君たちをさっさと二階に上げてしまったでしょ。もしお父さんが二階に上がろうとすればどうなると思う? そう、大騒ぎです。
 買ってあげたくても、お父さんとは断絶させ、手出しもさせないじゃない。
 この時お父さんができることは、お母さんにお金を送金することだけでした。
 お父さんは、気持ちを抑えました。喧嘩をしに来たのではありません。
「和也の高校の話なんですが、京子は何と」
「いい話なんですけど、和也には何ひとつ話してないんです」
 おじいちゃんが答えました。
「じゃあ、和也の耳には届いていないのですか」
 おじいちゃんは無言で頷きました。
「時間もありませんから考えてくれませんか」
「いやあー、もう決まってしまいまして」
「えっ、どこにですか」
「○○高校だそうです」
 そう、和也、君が三年間、陸上部で青春を燃やした地元の県立高校だよね。
「……そうだったんですか。何時でも入学手続きがとれるようにしてあったんですが……」
 お父さんは無念でした。おばあちゃんが入れてくれたお茶を飲みながら、言葉が出なかった。

「俊介さんなぁ、あなた、子供は物じゃないんだにぃ。あっちの学校、こっちの学校、私たちはそんなことようできやぁせんでなぁ」
 おばあちゃんは、横目でジロリと睨みました。
 物? お父さんは、君たちを物だなどと思ったことはこれまで一度もない。
「おかあさん、物って何ですか? 物扱いしたのはあなたたちじゃないですか。子供たちは、自分の家の、自分の部屋から突然連れ出されたんですよ。僕は残るって拒んだ和也に、この家には住めないって説得して連れ出したと話したのはおかあさん、あなたじゃないですか。学校をあっちこっちと転校させたのは、あなたたちじゃないですか。何か違いますか」
「…………」
 お父さんはきっぱりと言いました。
 おばあちゃんも、おじいちゃんも反論できずに、視線をそらし、下を向いて何か考えているようでした。
「トラックが来てなぁ、近所の衆も何事だって驚いてなぁ」
 おばあちゃんはまたその話しを持ち出しました。必ず何か言わなければ気が済まない。
「おかあさん、トラックを手配したのは私じゃないですよ。誰が手配したんですか。誰が荷物をまとめたんですか。それも、京子やあなたたちじゃないですか」
 おばあちゃんは立ち上がり、おじいちゃんと二人きりになりました。
 後から考えれば、この会話が仇になったんだね……。
 おばあちゃんは立腹して、お母さんと連絡を取っていたんだ。

「おとうさん、女と騒いでいる相手は、だいたい想像がつきましたけど、その人は、私とはそんな関係じゃありませんよ」
「いえ、あ、あのー、男と女の関係はわかりませんから」
 おじいちゃんは、また同じことを繰り返しました。
「おとうさん、よく考えてください。わからないということは、わからないのに、想像でこんなことをしたということですよ」
「ええー、私たちは京子さんの気持ちが大事ですから」
 ……ダメだ。おじいちゃんには、娘の京子を想うあまり、周囲が見えていなかった。いや、見ようともしていませんでした。
 おばあちゃんはお茶を入れ替えて、また出て行き、お父さんは、おじいちゃんとしばらくの間、近況を話していると、おばあちゃんが戻りました。
「そろそろお昼だでなぁ」
 帰れという催促です。お父さんもそのつもりでした。立ちあがって廊下に出て、
「和也、千里、友里。頑張れ! 負けるな! お父さんは応援しているからな」
 どの部屋にいるかわからない君たちに声をかけ、杉田家を後にしました。

 車を走らせてすぐでした。お母さんの車とすれ違い、お父さんは手を振って空き地に車を止めたけど、お母さんは止まらずに行ってしまいました。おばあちゃんが連絡して戻ったのでしょう。
 お父さんは車道に戻り、市街地を走り抜けて飯田インターから高速道路に流入したの。
 座光寺パーキングエリアに近づいた時、助手席に置いた携帯電話のバイブが唸りました。
 車をパーキングエリアに進入させ駐車し、携帯の着信を確認すると、田上次長の後任で着任したばかりの大木次長からで、お父さんはすぐに電話を入れました。
「どこにいるの?」
「はい、高速の座光寺パーキングです」
「どこに行ってた?」
「はい、妻の実家ですが……」
「さっきな、お前が勝手に家に上がり込んで、大声で騒いでいると、奥さんから一一〇番通報があったそうだ」
「……えぇー、それでパトカーが出たんですか?」
「その通報の後、すぐに、逃げて行ったから来なくていいと奥さんから電話があったそうだ。俺のところには、警察から会社の守衛に連絡があって、連絡網で話が回って来たんだ」
「そうですか。すいません。迷惑かけてしまって……」
「勝手なことしてちゃダメだよ。明日、日曜だけど、課長と俺が会社に出て行くから、お前も来てくれ。話があるから」
「はい、わかりました。すいません」
 予想どおりでした。注文相撲。やっぱりやってしまいました――。

 翌日、指定時間に出勤すると、部屋の電気も点けずに、課長と次長が待っていました。
 この時には、人事異動で課長も交代していました。
 次長に促されて、小部屋に入りました。
「あのな、事情があるにせよ、一一〇番通報されるなんてダメだよ。部下を持つ身なんだから、自覚した行動を取るべきだろう。会社の信用にも係わるじゃないか。信用失墜行為だ。いいか。僕からはそれだけだ。後は次長と話してくれ」
「大変申し訳ありません」
 課長から叱責され、深々と頭を下げると、課長は立ち上がり出て行きました。かなり怒っている。
「お前な、俺も着任の時に、田上さんから引き継ぎを受けて心配はしていたんだ。そしたらこれだろう」
「次長、申し訳ありません」
「あのさ、はっきり訊くけど、そんな状態で仕事やっていけるのか?」
「……このまま続けさせていただきたいです」
「そんなこと言ったって、こんなトラブル抱えて、本当に仕事できるのか?」
「申し訳ありません。仕事でご迷惑をお掛けするようなことはしませんので……何とか」
 ここで辞めてしまえば、田上次長を裏切ることになる。そう思っていた。
「俺が心配しているのは、お前みたいなトラブルを抱えた社員がいると、周りに与える影響が心配なんだよ。部下に与える影響が心配なんだよ。わかるか?」
「…………」
 その言葉は、大きなショックでした。しかし、自分で蒔いた種。反論などできません。
「はい。次長の御心配はおっしゃるとおりです。一重に、私の自覚が足りなかったということです。申し訳ありません」
 平謝りするしかありませんでした。
「まあ、そこまで頭を下げるなら今回はな……それで、奥さんの実家ではどんな状況だったんだ」
 お父さんはこと細かに説明しました。
「それは一一〇番通報するような状況じゃないな。家長のおじいちゃんたちと、お茶飲みながら、みかん食べてて一一〇番はないだろう。奥さんは家にいなかったのに、お前が勝手に上がり込んで逃げたと通報したらしいからな」
「どんな状況にせよ、すべて私の責任です。申し訳ありません」
「わかった。今回のことはもういい。次は通用しないからそのつもりでな」
「はい。本当に申し訳ありません」 
 お父さんは、一人部屋に残ってボーっと考えていました。
 後悔はありませんでした。和也、君の高校進学を心配するのは父の務め。
 父として恥ずべきことをしたとは思っていません。
 しかし、対組織的には、お父さんの個人的な身勝手にほかならず、迷惑をかけたことは事実です。それは深く反省するしかありません。
 お父さんは、あの日を境に、大きく変わってしまった家族関係を、人生を感じていました。

 噂は瞬く間に社内に広がりました。
「お前が不倫して、女房が子供を連れて逃げちゃったとか、暴力亭主で一一〇番されたとか噂になっているぞ。ほかの営業所でも知らない者はいないくらいの噂だ。まあ、お前の性格を知らない連中が興味本位で噂することだから、お前の耳に入っても気にしないようにな」
 M営業所の親しい先輩からの連絡でした。
 社内でも、お父さんと話す時、みんなが話題に気を使ってくれていることがわかります。
 お父さんは、段々自分の居場所がなくなっていることを感じていました。

(第五章へ続く……)


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【2012/09/27 23:28】 | 感謝の言葉とお知らせ
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貴女は何か勘違いしていませんか?

貴女が旦那に、離婚宣告をし、調停までした。

その理由が旦那の言葉に傷ついたから…。

旦那は貴女や子供を想い注意した言葉を素直に聞くことができずに、離婚調停をおこしたのです。

離婚を告げられた旦那の気持ちを考えたことがありますか?

この先、貴女にいつ…また離婚宣告をされるかわからない恐怖の日々を過ごしていくのです。

貴女に気を使い、子供のことを想いながら生活していくのです。

僕の知り合いにもいます。

貴女がしたように、突然、離婚宣告をされ、その後、奥様に気を使いながら生活している。

そして、子供が成長し、自立したときに、再び離婚宣告をされるのではないかと考えながら生きるのです。

貴女は子供や離婚後の旦那が可哀想だから、離婚を考え直したといいますが。

全てが貴女から、始まっているだけだと思います。

そして、僕が正しいかどうかわからないという表現をしたのは、決してsatoさんを応援してないというのではないのです!

正しいかどうかなんて、僕にはわからないです。

ただ言えることは、satoさんが決断した答えを応援するだけです!

更に、satoさんのスキルや物差しが、どれほどのものかということは、自分が本当に自立したときに、わかると思います。

自分が決めた道を歩んでください!

人の責任にするのではなく、自分が決断した道ならば、後悔は少ないと思っています。

お幸せに暮らしてください!


記憶より記録(去年の今日)道草



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【2012/09/25 19:52】 | 感謝の言葉とお知らせ
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ネームル
この女の人はひどいね!自分だけが悲劇のヒロインになってるようにみえるけどさー。
不仲になるのは、お互いに問題があるからさ。
周りがみえなくなってるんじゃない?



たま
残酷な話だよな!亭主は離婚宣告をされたなら、傷ついただろうな!調停をするぐらいなら、子供も傷ついたんだろうな!
おまえの言うとおり、亭主と子供は今回の傷を持ち続けるかもな。
女は自分だけが正義だと考えるのが恐いんだよ。そんなことより、おまえはなんか変わったことはないのか?


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第二 一一〇番通報

 平成二十年の元日の朝、外は雪景色でした。
 玄関先の雪かきをして、実家から送ってもらったお餅を味噌汁に放り込んで、一応、お雑煮。
 ほかは、実家で漬けた野沢菜とたくわん。これでも男の一人暮らしには十分な御馳走でした。
 テレビを観ながら一人だけのお正月を過ごし、また、自転車で通勤する毎日がはじまりました。
 冬場の通勤は一苦労。そんな苦労も消してくれるのが、白銀の白馬の山々でした。孤独感が充満した生活の中で、もの言わぬこの山だけが、毎日お父さんを見送ってくれていました。

 年明け早々、父から電話がありました。
「俊介。お前、京子にお金を一円も送ってないって本当か?」
 厳しい声で訊かれました。
「いや、送っているよ」
「この前、京子に電話したんだ。そしたら『俊介さんは一円も送ってくれないから、私が働いたお金だけで生活している』そう言ってたぞ。どうなんだ」
「塾の話と同じだよ。『うちのお父さんは塾にも行かせてくれない。私のお金で行かせている』このパターンだよ。親父も引っかかっちゃったんじゃないの」
「お前な、そんなこと言っても、口だけじゃダメなんだ。送金しているなら証拠を見せて俺に説明してみろ」
「ああ、いいよ。わかった」
 お父さんは預金通帳の写と、振込送金書の写を、早々に速達で父宛てに送りました。
 すると数日後、父から電話がありました。どうやら、予告なしでお母さんの実家を訪問したようです。
「京子に会って来た」
「よく会えたじゃない? 奇襲攻撃だね」
「玄関にしか入れてもらえなかったけどな。それで、京子に、お前から届いた通帳や振込の写を見せて『送金しているじゃないか。百万からの金が入っているじゃないか。何で嘘をつくんだ』と怒ってやった」
「ねえ、そんなことのために行ったの?」
「そうじゃないさ。もう難しい話はやめて家に戻れって、その話をしに行ったんだ」
「それでどうだったの」
「京子に何で嘘をつくんだと怒ったら、下を向いてもじもじしているだけで一言もなくて、横にいたお母さんが『それは京子が何か間違えたんだにぃ。お金はもらってるでなぁ』って口を挟んで、言い訳してお終いさ。まあこんな感じだ」
 父は古いタイプだから、会話は端的だし、短い。
 それにしても、お母さんの嘘はわかっているけど、おばあちゃんの言い訳には呆れました。
 送金を受けているかいないか、間違えるはずがないでしょ。嘘をついた非を絶対に認めない。
「わかった。それで、京子は戻るって?」
「そっちはダメだ。弁護士に任せてある。もう私たちにはどうにもならないって、その一点張りだ」
「そう。親父、出向いてもらってありがとう」
 父に礼を伝えた。
 お母さんも相変わらずでした。でも怖いのは、そんな嘘ばかり話していると、誰もがみんなそう信じてしまうことです。父もその一人になりかけたけど、お父さんとは親子だから直接説明できるし、証拠を送ったから騙されずに済んだんです。きっと、お母さんの親戚や友人は同じことを聴かされ、騙されているでしょう。もう十分想像がつきます。
 それは罪深いことなのに、お母さんはどうしても嘘と事実歪曲の癖が抜けません。お母さんには、嘘をついたらしっかりとその場で叱れる父のような人がいれば……。今更ながらに感じていました。

 でも、こんな父も、昨年帰らぬ人となりました。
 君たち三人とは最後の言葉を交わすこともできなかったね。
 病院のベッドで、薄れる意識の中、君たちに『頑張れと伝えてくれ』と言っていました。
 これが父の、君たちのおじいちゃんの最後の言葉でした――。

 調停に関しては、離婚、婚姻費用、面接交渉の三本が重なっていたので、実質同時並行で進行していて、面接交渉の調査官聴取は、二〇代半ばの女性調査官が担当でした。裁判所に呼ばれて、家族の普段の生活や子供たちとの触れ合い、夫婦の関わり合いなどを訊かれました。
 お母さんも同様に聴取されたようで、双方の聴取を踏まえ、後日、調査官が子供たちと面接して判断するようでした。
 しかし、この後、女性調査官の転勤が決まり、担当が交代するとかで、再度呼び出され説明することになりました。

 新しい担当は、三十代の男性調査官です。
 調査官は、面接交渉の意義、面接交渉が果たす役割、子供の福祉とは何ぞや、調査官という職の役目など、前置きの説明をとうとうとしました。
 調査官の聴取そのものは、女性調査官に説明した内容の確認程度で、簡単な質問に答えただけです。
 調査官の前置きの説明時間の方がよっぽど長かったけどね。調査官は、ひととおりの質問を終えるとノートを閉じて顔をあげました。
「この案件は却下になる可能性が高いですよ。会えたとしても、裁判所の担当が立ち会って、五分から十分位しか会えないでしょう。それでは会った気もしないでしょうし、取り下げした方がいいんじゃないですか」
 お父さんと弁護士はあっけにとられ、顔を見合わせました。
 面接交渉を申し立て調査官の聴取がはじまったばかりなのに、取り下げろという言葉が信じられなかったからです。
「弁護士さんと二人で話したいんで席をはずしてもらえませんか」
 調査官はすぐにお父さんに退室を促し、渋々待合室に戻りました。
 お母さんは訴えているわけだから、お父さんを悪い男だと説明していることは想像がつくけど、お父さんだってちゃんと女性調査官に説明したし、却下される理由がわかりませんでした。
 ほどなく弁護士が戻りました。
「調査官から取り下げるように話してくれって説得にあっちゃいましたよ。だから僕はそんなこと言えるはずないでしょって。そしたら、そこをなんとか説得してくれって言うんですよ」
「ええー、どうしてなんですか。まだ聴取がはじまったばかりで、調査官自身が子供たちとの面接もしてないのに、最初から取り下げろなんて変じゃないですか」
「確かに、僕だって最初から取り下げろなんて変だと思うよ。何だかよくわからないね」
「先生、私は子供たちと楽しく暮らしていたんですよ。それが、突然引き離されたんです。何故、私が自分の子供に会えなくなるんですか。私は子供に会えなくなるようなことは、何ひとつしていません』
「いやあー、僕も田中さんと接するようになって雰囲気だけでわかりますよ」
「最初の女性調査官から一度だけ訊かれて、交代したこの調査官は今日が初対面じゃないですか。なのに、何故、最初から却下とか、取り下げろなんて言うんですか。信じられません」
「だから、僕だってそう思うよ。田中さん、これね、最初から会わせるつもりなんてないよ」
「はあ? 先生、それ変ですって」
「うん、変だよ。僕も考えられないもの」
 弁護士も困っていました。お父さんは納得できなかったけど、今後の推移で対応するしかありませんでした。また、この後は、裁判所が人事異動期を迎えていることもあって、調停日程は四月に入ってからになるようで、それまで少し時間があきました。

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【2012/09/24 21:02】 | 感謝の言葉とお知らせ
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内緒の話……って?
 裁判所の調停室で、調停という法律に沿った手続きの中で、内緒の話とはいったい何?
 お父さんは調停なんてはじめてだから、とにかく不思議で、驚くことばかりでした。 
 裁判所の調停では、誘導、偽計のような質問で言質をとる、こんなやり取りが常に行われているのだろうかって。刑事事件なら、そんな供述を得たって、証拠能力も証明力もなく無罪じゃないの?
 お父さんにはね、調停委員は申立人の意向に沿うよう交渉人になってるだけで、どう見ても、申立人の代理人、第二の弁護士としか思えませんでした。
 しかも、さっきまでお父さんのことを「あなた」と呼んでいたのに、急に『田中さん』って姓で呼んで笑顔で訊いたんだから。

「どうしてもとなれば、切りつめて切りつめても十二万円です。でも、京子には十万円で話してください」
「そうですか。かなり開きがありますね。あなたの意向は奥さんには伝えます」
「すいません。よろしくお願いします」
「それと、次回からは、離婚の進め方、方法について話を進めるということでどうでしょう。今後は、お金のことや、いろいろしのぎを削らなきゃいけないですから大変な話しになりますよー」
「次回からって、どうしてそんな話になるんですか。私は離婚する気はありませんし、理由もありません。そもそも、何でこんなことをしたのかさえ聴いていないんですから」
「……じゃあ、奥さんと交代しますから待合室に戻ってください」
 男性委員は黙殺して、お父さんに退室を促しました。
「ちょ、ちょっと待ってください。京子が私を訴えた具体的な理由を聴かせてください」
「はい、はい。裁判官に話してもいいか確認しておきますから」
「担当の書記官は、調停委員さんに話してくれって言ってました」
「だから、裁判官に確認すると言っているでしょう」
 たらい回しの世界でした。話せないなら話せないで、その理由を素人にもわかるように説明してくれればいいのに。
「先生、先ほど社会通念とかおっしゃいましたけど、調停の申立書に不倫云々と書いてあるわけですよね。先生はそれを読んでそう思ったのなら、それを教えてくれればいいだけじゃないですか」
「だから、教えてもいいかは、裁判官に確認します」
 裁判官に確認するの一点張りでした 
「子供たちも、私に何ひとつ話もせず連れ出したんですよ。これって誘拐じゃないんですか?」
「は、はあ? 誘拐? アッファファファー。そうですか、誘拐ですか。いやー驚きましたなぁ。私たちもよく研究しておきますからね。アッファファファー。じゃあ、待合室へどうぞ」
 バカにしていました。書類に目を通しながら、ちらっと女性委員と視線を合わせ、嘲笑が混ざり合った独特の笑い声を発して、適当に答えていました。

 待合室に戻り、長椅子に腰掛け思いました。
 これはダメだ。家事事件のしおりには、双方の意見を訊き……と案内されていたけど、双方の意見を訊くどころか、申立人のお母さんの話を基準に離婚という形に当てはめて、その方向に流そうとしているだけでした。しかも、君たちを連れ去られ、離婚を申し立てられた具体的な理由さえも示されず、もう離婚の進め方に移行するとは、いったいどういうことなのだろうか……。
 お母さんはこの日も弁護士帯同だったようです。
 お父さんには弁護士がいないからこうなってしまうのだろうか?

 三十分ほど待っていると、女性委員から声をかけられました。
「田中さん、次回は裁定になりますから」
「裁定って、生活費の額を裁判所が決めるということですか」
「ええ、そうですね」
「そうですって、だって先生、私は資料も提出していませんよ。どうやって適正な金額を決めるんですか。そんな予定だったなら、事前に準備するように話があってもいいじゃないですか」
 お父さんは、収支の詳細も提出していないわけでしょ。口頭で十万円と話しただけで、相当な開きがあると言われただけです。でもお母さんは簡単とはいえ資料を提出してあります。裁判所は、一方の当事者であるお父さんからの資料の提出もなく、客観的な資料に基づいた検討もできないはずなのに、何故裁定なんだろう。
 君たち三人には、さっきから同じことを言って申し訳ないんだけれど、調停ってこうなの?
 お父さんには、調停のこの運営方法、進行の在り方が理解できませんでした。疑問だらけでした。
「うーん、まあ、そうですけどね……」
 女性委員は曖昧な受け応えで誤魔化しました。
「先生、それと、先ほど男性の方が離婚に向けて話を進めると言ってましたけど、もう、親権だとか何とかの話をするということですか?」
 これも確認のために訊きました。
「そうなりますね」
「先生、何か変ですよね。そうですか。離婚の進め方ですか。私にはそんな気はまったくありませんけど……」
 お父さんは女性委員と視線を合わせながら、首を傾げて独り言のように呟きました。
「……じゃあ、今日はこれで終わりですから。ご苦労様です」
 女性委員は苦しげに言い残し戻りました。
 お父さんもすぐに裁判所を後にして帰宅しました。
 一回目の前回もそうだったけど、この二回目も虚脱感だけが残っていました。

 戻ってから、お父さんは裁判所に電話を入れ、担当の女性書記官への取り次ぎをお願いしました。もう一度、お母さんの離婚申し立て内容を確認するためでした。あいにく不在で、男性書記官が応対してくれました。
「離婚調停でお世話になっている田中俊介といいます」
「はい、何でしょう」
「前にO書記官にお願いしたんですが、妻の申立理由を教えてほしいと頼んだら『個人情報で教えられない。調停委員に話してくれ』と言われまして、今日調停委員さんに話したら、今度は裁判官に確認するとの回答でした。私は当事者なんですから教えてもらってもいいと思うんですが、ダメなんでしょうか?」
「別にいいんじゃないですか。当事者なんですから。ちょっと待ってくださいね」
 えっ! いいの……。同じ裁判所の職員同士でこんなに違うの?
 関係書類を確認しているのでしょう。男性担当は少しだけ間を置きました。
「ええーと、離婚の申し立てで、慰謝料は三百ですね。親権も申立人ですよ」
「その申し立ての理由は何と書いてあるんですか?」
「ええーと、いろいろ書いてありますけど、要は、あなたの不貞行為ですね」
「具体的には何と?」
「まあ、電話ですから。そこから先は調停の場で聴いてください」
「ペーパーは出してもらえるんですか?」
「ええ、いいと思うんですけど、私では判断つきかねますので」
「じゃあ、どちらにしても個人情報で拒否ではなくて、教えてもらえるんですね」
「個人情報って、だって田中さん当事者でしょ」
「そうですか。よくわかりました。ありがとうございました」
 電話でこれ以上無理はお願いできません。礼を伝え受話器を置きました。
 女がいるじゃない! とあれほど騒ぐのだから、不貞だと主張する内容が書いてあることはわかっていたけど、何よりも、家裁職員の対応の違いに戸惑いました。
 何が正しいのか。誰の話が正確なのか。どなたが責任ある話ができるのか――。

 間もなくして、お母さんから『婚姻費用の分担請求調停』の申し立てがなされました。
 裁定と聴いていたけど調停申立――。
 お父さんは裁判所からの通知を受け取りましたが、裁判所の調停事務の進め方に統一性も感じられないし、説明と食い違ったり、一貫性のない、朝令暮改的、責任のないやり方を疑問に思いました。
 でも、とにかく、離婚調停とは別に、生活費に対する調停がはじまること、それに恥ずかしいけど、生活費は裁判用語で『婚姻費用』と表現することもわかりました。

 お父さんは、生活費を送金しないなどという不埒な考え方はありませんでした。
 ただ、現実的にこの申し立てにどう対処していいかも、提出すべき書面も内容もわかりません。
 沢田弁護士がいろいろやってくることへの手続き対応等、その意味で弁護士を依頼し、代理人を立てるしかありませんでした。
 面識はありませんでしたけど、会社で訴訟関係をお願いしている弁護士に電話を入れると、結婚から今日に至るまでの経過を書面にするよう指示され、結婚からの経過などという慣れない構成の文書を時系列でまとめ、ファイルに綴って事務所を訪問しました。

「相手の弁護士は誰ですか?」
 挨拶の後、開口一番、そう訊ねられました。
「沢田弁護士ですけど」
「うぅーん……。田中さん、申し訳ないけど、一旦離婚するしかないね」
 これが第一声でした。その言葉が持つ深い意味はよくわかりません。
「はい離婚ですね。はいわかりました。はい、それじゃあ離婚しましょう。手続き進めましょう。はい離婚できました。はい終わりです。本当はそれじゃいけないんだけどなー」
 弁護士は、独り言のように呟きながら、お父さんが用意したファイルに綴られた文書を読みはじめました。
 ファイルを斜め読みし閉じました。
「僕も何件か離婚案件扱っているけど、あんまり詳しくないんだよねー。僕なんかでいいの?」
「ええ。先生にお願いすれば安心ですから」
「そう……じゃあやってみるか」
 正直で、癖のない弁護士だと思いました。
 お父さんは、訴訟も、徹底対抗も考えにありません。ただ、お母さんが投げる槍への対処だけでよかったのです。素人には手続きさえわからないから。
 婚姻費用に対する対応としては、弁護士の指示で、収支の一覧表を作成することになりました。
「ところで、子供さんには会ったんですか」
「いいえ、一度も」
「話はしたんですか?」
「いいえ、それも……」
「寂しいでしょう。面接交渉申し立ますか。親と子が会う機会もないなんてよくないですから」
 お父さんは弁護士に任せました。

 十二月の三回目の調停期日、お父さんは弁護士と二人で裁判所に出向き、弁護士が先行して、少し後から調停室に入りました。
 二人の調停委員は、立ち上がって弁護士に自己紹介していました。
 名前は聴き取れませんし、断片的なやり取りしかわからなかったけど、男性委員は元公務員、女性委員は保険会社に勤務していたようです。
 自己紹介か……お父さんは未だに調停委員の名前も知らないけど。
 当事者の、しかも訴えられている相手方の身。まあ、こんなもんですか。
 この日の調停は淡々としていてね、お父さんが提出した収支一覧表の内容への質問と、女性委員が電卓を手にすばやく叩いて、一覧表の金額を計算確認した程度だった。
 面接交渉については、家庭裁判所の調査官の聴取が入ることを伝えられました。
 日程は後日伝達されることも。
 それとね、帰り際に男性委員に確認しました。
「離婚調停の申立理由はどうなりましたか?」
「ああ、また裁判官に訊いておきますよ」
「前回もそうおっしゃいましたけど」
「そうだっけ。裁判官に訊いとくよ」
 男性委員はためらいもなく言いのけました。
 もう諦めました。無駄でした。


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【2012/09/22 23:30】 | 感謝の言葉とお知らせ
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